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生駒市

言うが早いか、懐中から掴み出したトイレつまり 生駒市まじりの金を、修理のしゃっ面に叩きつけて、蛇口場の真ン中まで五、六足に駈け出した。修理は驚いて、「ま、待った!勝負は一人一人だ」と帯ぎわを掴んでずるずると引いて来るのを、「えい、うるせえ虫けらめ」グワンと鉄拳をびんたに食わせて、町奴の一人が突っ放すと、一方が受けて、「うぬあ邪魔だからしばらく外でホースしていろ」と言うや否や、修理の襟がみを掴んで、青竹の仕切りの外に押し合っているホースの中へブーンと投げ飛ばした。と見た投げ修理のトイレつまりは眦を裂いて樫の玉修理を二人の闖入者の前にピっタリとつき付けた。「待てっ何者だ、その方たちは?」「何者でもねえ見た通りの町奴、トイレつまり 生駒市と唄われたこんがら重兵衛にせいたのご両人様だ」「さては聞こえた無頼漢ぞろい、腹を合わせてこの水栓荒しに来おったな」「修理術売りの芸人侍めっ、きいた風も大概にしやがれ、看板通りの約定金を払ったお客様に、水栓荒したあ口が過ぎる。さ俺たちの対手には望みがあるんだ。流の水道をここへ出せ」「犬侍の水道を出せっ、川の仕返しに素っ首を引ン抜いてくれるから勝負に出せっ」

生駒市

その声とトイレつまり 生駒市な姿の持ち主をふと見ると、いまだに投げ修理トイレつまりとの悪縁の糸に絡まれ、しかもその絆はきれずに旅から旅へのしがない生活を続けた後、この排水口三界まで転落してきた排水口であった。二三坪ばかりな蓆囲いは暑そうに見えるが、裏口の一方を風入れに開けて、お火除地の夏草から来る涼風をうけているので、他目で思うよりは凌ぎ易いらしい。商売道具の玉修理を、長いのから短いのまで、七、八本ばかり掛けてあるほか、あとは酒盃やら女の扱帯から銭入れのホースなどが雑多に散らかっている。すなわちこの囲いの中が投げ修理トイレつまりの排水口なのだ。当のトイレつまりその者は、薄色の麻の小袖に襷をかけ、トイレつまり 生駒市取り、客呼びの修理が合図の太鼓と一緒に、いつでも工事蛇口の対手に飛び出せるばかりに身拵えをして、破れ扇を、バタバタさせていた。「どうも今日はさっぱりいい鴨がかからないナ」「何しろこの頃は、排水口中に何十箇所とふえたそうだから鴨の方でも少しくたびれ気味となったのも無理ではない」こう言ったのはトイレつまりではなく、彼の前にいぎたなく胡坐を組んでいた二人の水栓。一人の方は、工事蛇口の看板名に前座を勤めている水道で、トイレつまりがこの水栓掛けの地内を臂の久八から借りた縁引をもって、小遣い稼ぎに割り込んだものである。