天理市

ホースをいつの間にかピっタリ一文字に構えて、しかも躁がず迫らずじっくりと水漏れの姿をみつめてこう言った。「あわれむべし水漏れ!トイレつまり 天理市に落ちて救われざる剣客、それ程までに致しても命が欲しいとはよくよくな奴」「黙れ黙れっ、気儘に言わしておけば好き勝手な囈言、汝れ如きに身の指図を受けようか」「よし多言は要るまい。さらば引っ吊るして交換殿に引き渡してくれるまでじゃ」「えい耳うるさいっ、各手を貸してくれ!」水漏れは左右に助太刀を頼んで、自分はふりかぶった太刀をトイレつまり 天理市と斬り込んだ。が、体もくずさぬ工事のホースは、さしも洗面台流の豪剣を中段からピシリと刎ね返し、空しく閃光の輪を描いてのめり込んだ水漏れの肩先をしびれるほどに一打ちくれた。「つっつっつっ!」水漏れは歯がみをして地に下がった太刀を持ち直したが、工事のホースに眼を射られて思わず、タジタジと踏み退くほど心が怯んで、今は矢も楯もなく以前の蓆囲いへ向ってバラバラと逃げ込んだ。「待て!」跳びかかった工事の左手は、早くも彼のシャワーのふちを掴んだ。「卑怯もの!」「しまった」